宋時代(11世紀~13世紀)の「青瓷(せいじ)」は陶磁器愛好家の誰もが認めるところの文化遺産です
中国陶磁器では書や絵画などの芸術が最も目覚しい発達を遂げた宋時代(11世紀~13世紀)のものが昔から高く評価されてきました。
特に青瓷は現存する数が少ないことと、雨あがりの澄んだ青空の色に例え「雨過天青」と称される【天青】の青みがかった爽やかな美しさは数百年の時を越えて現在も多くの人々を魅了しています。
これら皇帝直轄の御用窯(官窯)で作られた名品は東京国立博物館、出光美術館、根津美術館、静嘉堂文庫美術館(東京)などで見ることが出来ますが、さすがに中国歴代の皇帝が惜しみなく金と時間をかけて作らせたものだけに陶磁器愛好家垂涎の至宝ともいうべきものです。
基本的に青瓷は還元焼成で青瓷特有の青緑色に焼き上がりますが、同じ釉を掛けても酸化焼成すると、黄色み掛かった、黄金色に焼き上がります。この色を日本では米色青瓷(べいしょくせいじ)と呼びます。米の籾殻のような色をしている事から名付けられました。
青瓷の場合、鉄の成分が釉薬の中にも有りますが。胎土の中にも存在します。
窯の中で酸素が少なくなるように焼成する方法(還元焼成)により釉薬や胎土の鉄分中の酸素が、強制的に剥ぎ取られることで酸化第一鉄に変化します。それが青磁の青緑色となる原理です。
釉薬が厚いぶん、ぽってりとした豊かな手触りです。
丁寧に作られた、温かみの感じられる酒器です。
きっと焼酎が、お湯割り・水割り・ロックなど様々な飲み方で美味しく頂けると思います。
色は米色青瓷(べいしょくせいじ)。釉薬は青緑色の際とほぼ同じですが、酸化炎を使用して焼成するため、透明感のあるウイスキー色に焼き上がり、全体に貫入(かんにゅう)とよばれる亀裂で彩られています。
お茶にコーヒー、そしてコップ酒に使えそう。重厚で荘厳な味わいに日々、愛着が増すことでしょう。
桃崎孝美さんは、こんな人。
桃崎孝美さんは現在、日本工芸会準会員。
数々の公募展において入選入賞多数という今が旬の陶芸家です。
【 略 歴 】
1981年 佐賀県有田町で陶芸修行 福田英明氏に師事
1986年 西部工芸展・九州山口陶磁器展・西日本陶芸美術展にいずれも初入選
1989年 阿蘇郡西原村に築窯
1991年 西部工芸展 熊本県知事賞受賞
九州山口陶磁展 毎日新聞社賞受賞
1993年 日本伝統工芸展 入選
1999年 訪中(南宋官窯・竜泉大窯・建窯・景徳鎮の古窯址を歴訪)
2001年 日本陶芸展 入選
訪中(吉州窯・耀州窯・汝窯・鈞窯の古窯址を歴訪)
2003年 日本陶芸展 入選
2007年 日本伝統工芸展 入選
2008年 西日本陶芸美術展 奨励賞受賞
2009年 第3回菊池ビエンナーレ 入選
2011年 日本陶芸展 入選
2013年 日本陶芸展 入選
日本工芸会準会員